データ通信量が少ないユーザーが支払う携帯料金は割高だ。大手3社の従来の一般向け最安料金プランは、音声通話とデータ通信量上限が2~3ギガバイト(GB)の組み合わせで、月6200~6500円。一方、2GBを大きく下回るデータ量しか使っていない人向けの低料金プランはなかった。ちなみに1GBは、標準的な動画なら4時間半ほど視聴できるデータ量になる。

 ソフトバンクは1月、通話と1GBのデータ通信がセットで月4900円というプランを導入する計画を発表した。ドコモやauも近く新プランを打ち出す。各社とも奨励金を減らして浮いたお金を活用する。ただ、SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストはこう指摘する。

「実際に1GB以内のプランを選ぶ人は1割未満と見ています。携帯料金全般がこれから安くなる、というわけではないと思います」

 日本の携帯料金は全体として見れば、ほかの先進国に比べて高くはない。世界7都市で標準的な携帯料金を比べた総務省の調査によると、東京の料金水準はほぼ真ん中だ。野村総研の北氏は言う。

「通信ネットワークの充実度では、全国津々浦々まで携帯がつながる日本は世界でも群を抜いています。このような“品質”も考慮すれば、決して料金水準が高いとは言えません」

AERA  2016年2月1日号より抜粋