「自然と感謝の気持ちが」心を育てるキリスト教学校 日本に多大な影響も

 多感な時期を私立校で過ごす意義の一つに、宗教教育がある。ミッションスクールなどに由来するキリスト教学校の教育とは?

 校門をくぐると、すぐ横に畑とビニールハウスがある。昇降口には、農作業で使う長靴がずらり。長い歴史を持つキリスト教学校は、創立以来の伝統として独特の教育法を受け継いできた。1929年に創立された恵泉女学園(東京都世田谷区)の「園芸」も、そのひとつだ。

 創設者が提唱した学びの3本柱が、「聖書」「国際」「園芸」だった。今でも園芸は正規の授業で、中1と高1では週2時間の必修。校内外に3カ所、合わせて3千平方メートルある畑や温室で、花と野菜を育てている。園芸科の松井信行教諭は言う。

「神様から与えられた土地を実り豊かなものにする、それが私たちに与えられた使命。また、額に汗をかいて体を使うことで、労働の尊さを学びます」

 実習室が三つあり、生徒たちの手で収穫物を加工する。麦は石臼で挽いてパンに、綿は紡いで糸に、果物はジャムに、柊(ひいらぎ)の葉はクリスマスに飾るリースに。花の苗は、近隣の保育園へ無料で配ったり来校者にプレゼントしたり。東日本大震災被災地の仮設住宅へ届け、花壇をつくって植えたこともある。

 園芸同様、創立以来の伝統が「感話」と呼ばれるスピーチだ。毎朝の礼拝の時間に、週1回、担当の生徒が感じたこと、考えたことを原稿にまとめ、全生徒の前で話す。

「他人を傷つける内容でなければ、何を話しても構いません。自分たちに近い存在である生徒の話は、心にしみ入るようです」(本山早苗副校長)

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