「その日は朝まで起きていてもかまいません。ずっと何日も起きていることなんてできませんから、翌日の晩は眠れます。人間は最低限の睡眠はとるようにできているんです」

■お肌の黄金時間22~2時でない

「お肌のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。睡眠中に肌の再生を促す成長ホルモンがさかんに分泌される時間帯のことだ。22~翌2時がそれにあたり、この時間帯に睡眠をとると成長ホルモンがたっぷり分泌され、新陳代謝が促されるので、肌がきれいになったり背が伸びたりする効果が期待できるといわれている。とくに女性には「眠くないけど、お肌のためにゴールデンタイムにはふとんに入るようにしている」という人もいる。

「確かに成長ホルモンは『美肌ホルモン』でもありますが、22~翌2時がゴールデンタイムというのは完全な誤解です」と三島医師は話す。

「成長ホルモンの分泌が増えるのは、浅い眠りよりも深い眠りの中。その深い眠りは、眠りはじめから3時間くらいがいちばん現れやすいのですが、時刻とは関係がありません。つまり世間で言うお肌のゴールデンタイムが終了した午前2時から寝はじめたとしても、そこから3時間くらいぐっすり眠ることができれば、成長ホルモンはたっぷり分泌されます」

AERA 2016年1月11日号より抜粋