そんな大村教授が今後の目標として真っ先に挙げるのが、人材育成だ。
「金を残して死ぬ者は下。仕事を残して死ぬ者は中。人を残して死ぬ者は上」
関東大震災後の首都復興に尽力した政治家・後藤新平が残したという言葉を引いて、「俺は上になりたい」と語る。
人材育成を目的に故郷の山梨県に立ち上げた「山梨科学アカデミー」で、小中高校生向けに出前授業などを行う活動を始めて、すでに20年になる。
「一人でもいいからビル・ゲイツが生まれればいい。地道にやっていれば、必ず出てくると思っている」
ノーベル賞の賞金も大学などに寄付するつもりだ。
※AERA 2016年1月11日号より抜粋