この署名活動に賛同する太田啓子弁護士は言う。

「『おっぱい募金』の本質は風俗営業だと思っています。風営法違反にならない理由は、ぴったり当てはまる条文がないからというだけ。例えるなら合法ドラッグのようなもので、脱法風俗を公に開催していることがまず問題です。さらに、男性の性的欲望の露出があまりにも公共化されていることに違和感があります。欲望の露出を自分の家など私的空間にとどめていないことは問題ではないでしょうか」

 批判がある一方で、このイベントに賛同する声もある。「AKBの握手会と何が違うのか」
「エロが目的であっても募金が集まるならいい」などの声がネット上に上がる。さらに、「change.org」では、おっぱい募金の中止署名に反対するキャンペーンも立ち上がった。

 だが、太田弁護士は言う。

「『おっぱい募金を否定するなら、チャリティーコンサートなども全部中止させろ』という意見があることも知っています。でも歌うことと胸を触らせることは意味が違う。(募金という)本来の目的と違う風俗にお金を払っているのはおかしいですよね」

AERA  2016年1月11日号より抜粋