U20日本代表監督中竹竜ニさんなかたけ・りゅうじ/元早稲田大監督。2007年度から2年連続で大学日本一に導く。企業コンサルタントとしても活躍中 (c)朝日新聞社
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U20日本代表監督
中竹竜ニさん
なかたけ・りゅうじ/元早稲田大監督。2007年度から2年連続で大学日本一に導く。企業コンサルタントとしても活躍中 (c)朝日新聞社

 今年一躍注目を浴びることとなったラグビー。ルールはもちろんだが、ちょっとした豆知識があると、より楽しめる。U20日本代表監督・中竹竜二さんに話を聞いた。

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 ラグビーで一番わかりやすい反則(ペナルティー)は、ボールを前に落としてしまう「ノックオン」でしょうか。

 ルールを知らなくても十分楽しめますが、意識するとすれば、必ず「ボールが前」だということ。ボールを保持した味方より前に出てパスを受けたら「スローフォワード」という反則になります。場面ごとで多少違いますが、ボールがある場所がラインとなって、相手側の陣地にいる選手がプレーに関わるのも「オフサイド」。自陣側にいる場合はオンサイドなので問題ない。つまり、常に「ボールより前に出てはダメ」なのです。

 もうひとつは「寝てプレーしてはダメ」。タックルされて倒れたらその場でボールを離さなければいけません。離さなかった場合の反則は、「ノットリリースザボール」。タックルした後などにその場から離れず寝転がったままだと、「ノットロールアウェイ」をとられます。

 基本的なルールを押さえたら、ラグビーならではの風景にフォーカスしてみませんか?

 例えば、監督はインカムで何やらピッチ上のスタッフと連絡をとっているように見えますが、交代やケガの情報を共有しているだけで、紳士協定で戦術の指示はしてはいけないことになっています。大会によりますが、インカムが装着できるのはドクターや給水など5人まで。

 ピッチ上のラグビー選手がクールに見えるのは、「相手にキツそうな顔、痛そうな顔を見せない」という文化があるから。下を向いてはいけないし、ラガーマンたる者、膝に手をついてもいけない。膝のケガがわかるとそこを狙われるので、わざと足首を痛がったりもします。

AERA  2015年12月28日―2016年1月4日合併号より抜粋