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文芸評論家「本はリアル書店で買う」が鉄則の理由は

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AERA#読書
文芸評論家斎藤美奈子さん(59) (c)朝日新聞社

文芸評論家
斎藤美奈子さん(59) (c)朝日新聞社

 本好きがハマってしまうのが、好きなジャンルの本ばかり読んでしまうこと。単なるルーティンではなく、いかに自分の枠の外に連れ出してくれる本と出会えるか。「読書のセレンディピティ」を求めて、文芸評論家の斎藤美奈子さんに話を聞いた。

* * *
 書評を書いているせいか、「面白い本を教えてください」と、よく聞かれるんですが、「わかりません」と答えます(笑)。誰にとっても面白い「万能の本」があるわけじゃないから。自分にとって必要な本を見つけられるのは、自分だけです。

 選書眼を養うための鉄則は「本はリアル書店で買う」こと。キーワードを入れて、ネットで本を探すのは楽なようでいて、実はせっかくの学習する機会を捨てているようなもの。なぜなら自分が思いつくキーワードは、所詮、探している本を読む前の知識。自分の思考の範囲を超えません。

 でもリアル書店へ行って、棚を眺めれば、周囲にある関連書まで、広く見ることができる。現物を手にとり、中を読むことができるのもリアル書店ならでは。

 ネットでは有機的な本のつながりがあるようで、実は貧しいんです。「その本の隣にはどんな本があるのか」がわかってこそ、自分の経験も深まります。

 とはいえ、リアル書店を使いこなすのは慣れるまで大変。おすすめしたいのは、「地元に行きつけの本屋さんを持つこと」です。通いやすい中小書店で、文庫一冊でもいいから、「自分で選ぶ」経験を積み重ねる。

 そうして選んだ本がつまらなくてもいいんですよ。どんなにダメだと思ったとしても、「どうして自分はつまらないのか」考えられるのが、本というメディアのすごいところ(笑)。「読書に失敗はない」というのも、声を大にして言いたいですね。

AERA  2015年12月28日―2016年1月4日合併号より抜粋


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