簡易宿泊所とは、ホテルのような個室ではなく、泊まる場所を宿泊者で共有する営業形態。1泊3千~4千円と安く、宿泊費を抑えたいとか、スタッフや宿泊者同士のコミュニケーションを好むといった海外からの旅行者に人気がある。

 運営側も、部屋や水回りを共用にできるため、古いビルの改装などで素早く対応できるのが魅力だ。

 ホテルなどの企画や設計を手がけるUDS(東京)が9月から運営する「オン・ザ・マークス」(川崎市)の共用部では、アナログレコードの音をBGMに、宿泊者同士でゆっく
りと食事やクラフトビールなどを楽しめる。

 12月には浅草、来年1月には日本橋の簡易宿泊所もオープン。

「簡易宿泊所が起点となって日本全国や海外からも人が集まれば、街全体を活性化していくことができる。人口減で余ったビルを、インバウンド向けの簡易宿泊所にするという流れは、来年もますます強まると思います」(UDS会長の梶原文生さん)

AERA 2015年12月21日号より抜粋