そもそも最高裁の裁判官はどういう人たちが選ばれるのか。最高裁は、憲法によって設置された日本で唯一かつ最高の裁判所で、法律などが憲法に反していないかどうかを最終的に判断する権限を持ち、長官と判事を合わせて15人の裁判官がいる。最高裁裁判官については裁判所法で「識見が高く法律の素養がある40歳以上の者の中から任命する」と定められている。

 女性の最高裁判事は現在いる3人を含め、これまでに5人しかいない。女性初の最高裁判事は、旧労働省で婦人少年局長だった高橋久子氏(故人)で、1994年から97年まで務めた。その後、旧厚生省の官僚で社会保険庁長官だった横尾和子氏が2001年から08年まで務めたが、彼女たちの時代はそれぞれ15人中ただ1人の女性だった。

 現在も判事を務める櫻井氏が横尾氏と入れ替わりで就任。10年に、裁判官を経て慶應義塾大学法科大学院教授などを務めた岡部氏が判事に就任して女性が2人に。13年には鬼丸氏が弁護士出身の女性として初めて就任し、女性最高裁判事が3人になった。

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