そんなトライ&エラーの場になっているのが深夜ドラマ。テレビ東京の「ドラマ24(金曜深夜0時12分)」枠を筆頭に、アイデア勝負の作品が百花繚乱。低予算をあえてネタにした福田雄一脚本・監督の「勇者ヨシヒコ」シリーズや、強烈な下ネタをぶちかました園子温脚本・監督の「みんな!エスパーだよ!」、安定の人気を誇る「孤独のグルメ」「深夜食堂」のほか、ドキュメンタリー風の「山田孝之の東京都北区赤羽」の斬新さには度肝を抜かれた人も多かったはず。

 一方、王道ドラマ部門では、かつて「水戸黄門」の専売特許だった勧善懲悪型が主流に。「倍返しだ!」のセリフで大ブームになった「半沢直樹」やその流れを汲む「下町ロケット」も、言ってしまえば大がかりな悪者成敗だ。「花咲舞が黙ってない」「ドクターX」など、若くて元気な女性が威勢よく悪者に啖呵(たんか)を切る1話完結型の“後味スカッとドラマ”も人気が高い。

「ユーチューブなどの短い動画に慣れた世代にとって、1時間のドラマを毎週続けて見ること自体、ハードルが高くなっているのでは」(中奥さん)

AERA 2015年12月28日―2016年1月4日合併号より抜粋