そこで、0歳児入園を目指すことになる。だが、そこでもフルタイム共働き、つまり選考指数「満点」の夫婦がズラリと横並びだ。頭ひとつ飛び抜けるために「加点」を狙い、認可の選考前の10月や11月から認可外に預けようとする。保活の焦りがどんどん競争を激化させ、育休が実質ゼロの産休明け復職にもなりかねない。

 そこまで焦る必要はあるのだろうか。

 世田谷区のニーズ調査では16年度、0歳児は1084人の需要超過、1~2歳児は391人の供給超過で、1~2歳児のほうが入りやすいという。

 区は15年10月から、0歳児は、育休明けすぐであっても、育休を早めに切り上げて認可外に預けていても、加点は同じ5点にするよう調整基準を改定した。保育認定・調整課の上村隆課長は、「保活のために育休を切り上げることなく、安心して1歳から申し込んでもらえるように」と説明する。だが、11月に開設した新しい認可園では0歳児の倍率が14倍を超えるなど、0歳枠の入園競争の激化は収まりそうもない。

AERA 2015年12月21日号より抜粋