難民排斥が「テロ支援」につながる ボート転覆、3時間泳いで逃れる難民も

AERA
 パリ同時多発テロ事件以来、欧米はイスラム国への空爆と難民排斥の動きを強めている。だが、難民を生んでいるのは空爆。「悪循環」が続いている。

「難民の受け入れをただちに停止すべきだ」

 仏の極右政党、国民戦線のルペン党首はこう訴えて、12月6日の地域圏議会選挙の第1回投票で首位に立った。11月のパリ同時多発テロ事件の後、国民に広がった不安感が追い風となっている。最終結果は13日の第2回投票で決まる。

 米カリフォルニア州で14人が殺害された福祉施設での銃乱射事件を受けて、「イスラム教徒の米国入国を全面的に禁止すべきだ」と声明を出したのは、実業家のトランプ氏。2016年11月に予定されている大統領選挙の共和党候補者指名争いで、首位に立つ。連邦捜査局(FBI)は、銃乱射事件の容疑者が過激派組織「イスラム国」(IS)を支持していたとの情報から、「テロとして捜査する」方針を示している。

 ルペン氏とトランプ氏に共通するのは、人々の間に広がる「ISのテロ」への恐怖や不安を「イスラムフォビア(イスラム恐怖症)」と結びつけて国民の支持を得ようとしていることだ。

 欧米の各国政府はパリでのテロ事件の後、ISとの戦争を激化させている。仏のオランド大統領は事件の翌日、早々と「ISとの戦争宣言」を行い、激しい空爆を開始した。続いて英国議会は、IS支配地域のイラク側だけだった空爆範囲をシリア側にも拡大する政府案を可決。独連邦議会も仏などの後方支援の実施を連邦議会で決定した。

 空爆だけではISを根絶できないというのが大方の見方だ。地上戦を行う国はない。IS空爆は国内で起こるテロに打つ手のない各国指導者による政治的な「パフォーマンス」だ。

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