共産党委員長 志位和夫さん(61)しい・かずお/東大工学部卒。東大在学中に入党し、1990年、35歳で書記局長。93年初当選。2000年、不破哲三氏の後を継いで現職(撮影/写真部・大嶋千尋)
共産党委員長 志位和夫さん(61)
しい・かずお/東大工学部卒。東大在学中に入党し、1990年、35歳で書記局長。93年初当選。2000年、不破哲三氏の後を継いで現職(撮影/写真部・大嶋千尋)
「有権者がどの野党に投票するか悩んだ瞬間、野党は失敗」と松野氏。志位氏は「統一候補を各党挙げて応援しよう」と踏み込んだ。岡田氏は「市民運動との共闘」を主張した/11月20日(撮影/写真部・大嶋千尋)
「有権者がどの野党に投票するか悩んだ瞬間、野党は失敗」と松野氏。志位氏は「統一候補を各党挙げて応援しよう」と踏み込んだ。岡田氏は「市民運動との共闘」を主張した/11月20日(撮影/写真部・大嶋千尋)

 反安保法制・反アベノミクスでは ◎、選挙協力は△。

 では、将来の連立政権は……。“一強多弱”の勢力図を塗り替えるには野党協力が欠かせない。野党研究が専門の吉田徹・北大教授が、3党首の胸の内を探った。(構成/編集部・宮下直之)

*  *  *

吉田徹・北海道大学教授:安全保障関連法制反対のデモが大きな注目を集めました。野党に追い風が吹いている。これにどう帆を張り、民意を形にできるか。“一強多弱”の構図のもとで問われているのは野党間の協力です。そこで共産党から出てきたのが、連立政権を前提とした国民連合政府構想でした。

志位和夫・共産党委員長:私たちの提案というのは非常にシンプルでありまして、まず、戦争法・安保関連法制を廃止しよう、そして安倍政権を打倒する戦いを発展させようと呼びかけています。日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す戦いをやろうじゃないかということです。

 戦争法の廃止は、衆参両院で廃止法案を可決すれば可能です。ただそれだけでは問題は解決しない。集団的自衛権の行使を容認した2014年7月の閣議決定が残る。自衛隊の海外派兵の火種が残り、立憲主義を破壊したデタラメな憲法解釈が続くことになる。戦争法の廃止と閣議決定の撤回。二つの仕事をやろうとすれば、どうしてもそれを実行する政府が必要になる。

●立憲主義取り戻す政権

松野頼久・維新の党代表:僕らはいま、民主党の岡田さんのところとですね、まず基本政策を一致させようということで、政調会長同士の協議をさせていただいています。もうほとんど内容は詰まってきているんですけれども。基本政策を詰めることができれば、来年1月の通常国会の前までに統一会派を組み、きちっと一つのかたまりで国会に臨む。なるべく大きなかたまりをつくって、その姿を国民に見ていただく。

 いまの選挙制度のなかで一つの政党をつくり、きちっと有権者の声を拾える状態をつくるということが、民主党との間でやっている作業です。岡田さんはその先の新党までは慎重だという報道がされていますけれど、将来の新党を排除しないということは言っていただいている。

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