「お母さんのパート代よりも、私のバイト代のほうが高いから、ご飯を食べに行ったときに私が出すこともあります。すごく喜んでくれますよ。お金を稼ぐ大変さは知ったけど、金銭感覚がなくなりましたね」

 バイト代の使い道を聞くと、化粧品や洋服などファッション関係がメイン。加えて、月に数回、洋服を買いに都内へ出るときの交通費も結構な出費だという。

 調査結果でも、女子の使い道は「飲食」「友だちと遊ぶ」「デート」などの交際費が41.3%。次に「洋服や靴などのファッション」「化粧品や美容室代」などおしゃれ代が約20%で続く。一方、男子は「趣味」が32.3%と突出していて、飲食代が24%で続く。また、携帯電話代は1.1%と少なく、大多数が親に払ってもらっていることがわかる。

 高校生同士のデートでは割り勘か、あるほうが出すのが普通で、「男だから多く払う」という固定観念はない。学生同士なら当然という見方もあるが、理由はそれだけではない。

「若者世代は男女平等が当たり前になっていることに加え、格好つけることは恥ずかしいという考えがあります。ノームコアファッションが流行しているのもその流れです。身の丈に合った行動や言動が支持されるので、背伸びして無理におごったりすることは『イタイ』とされているのです」(マーケティング会社・ブームプランニングの清水絵梨さん)

(文中カタカナ名は仮名)

AERA  2015年12月14日号より抜粋