子育てしながら仕事してきたので、限られた時間のなかでいかに効率よく作業を進めるか。その技がより培われた気がします」

 ブログには寝坊した日の10分弁当も登場する。ピンチも科学的に切り抜ける。一番の時短は高温で短時間に仕上げること。だから、そういう時は揚げ物で切り抜けることが多いという。意外! 素材の火の通りが早いだけでなく、鍋自体はそれほど汚れないので洗いものも時短できるという。

 夫には「手抜きに見えない、手抜き弁当」と言われる、とnickyさん。実はそこには、手抜きに見せないテクニックがある。ポイントは「色の配置」と「立体感」だ。10分で作った鶏おかずのお弁当を見ると、お弁当に必須な「赤・黄・緑」の3色を対角に配置。緑のブロッコリーの数は非対称にしている。

「おかずはランダムに盛り、そこに意識されない程度の規則性を加えるのがコツ。そうすると、視覚にきれいに映るのです」

AERA 2015年11月16日号より抜粋