「つう」と言えば「かあ」と同様に、「夫婦」といえば「セックスレス」?(※イメージ)
「つう」と言えば「かあ」と同様に、「夫婦」といえば「セックスレス」?(※イメージ)

「つう」と言えば「かあ」と同様に、「夫婦」といえば「セックスレス」。残念ながらそれくらい、「普通」になってしまった。この状況を変えるには――。

 恋愛や性をテーマに数多くのノンフィクションを執筆するライターの亀山早苗氏によれば、ここ数年のセックスレス夫婦に多く見られるのは、セックスはしていないけれど夫婦仲はいい、「友達夫婦」だという。背景には言うまでもなく、女性の社会進出が進み、夫と妻の役割や立場が対等になったことが挙げられるだろう。

 友達夫婦に見られるセックスレスのパターンは、(1) 社会に出てさまざまな男性を見ることで、相対的に夫を男性とは見られなくなる(2) 共働きで家事・育児をこなすことで、互いに同志としてしか見られなくなるの二つ。つまり、ただの「家の人」になってしまったり、生活するうえでの同志という意識が強くなりすぎて、いわゆる「生活」とは離れたところで生まれる男女の性愛が生まれなくなってしまったり。

「結局、セックスからは遠ざかってしまうんです」(亀山氏)

 仲は悪くないが、性欲は湧かない。それで互いが満足なら円満夫婦と言えるだろうが、どちらかが不満を持つと、友達夫婦にも危機が訪れる。

 セックスレス5年という会社員女性(37)は、セックスレスが原因で離婚も考えるようになったと話す。

 6年半前の結婚当初から、家事も経済的負担も平等にしてきた。いつの間にかセックスがなくなって、夫(41)を誘っても「疲れている」と断られてしまうようになっていた。こっちだって疲れてはいる。だけど、したい。

「夫はもう私に性欲を向けてくれない。今は、自分が女性として終わってしまったのか、という不安でいっぱいです。子どもがいないうちに離婚したほうがいいのではと考えています」

 セックス以外は、周囲もうらやむような仲良しだ。

「一緒に飲みに行くこともあって、楽しく会話はするんです。でも、そんなときに周りから、『お子さんは?』と聞かれたり、『週に何回?』と冷やかされたりすると、気まずい空気になりますね」

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