スマホを子どもに賢く使ってもらうために、さまざまな取り組みが行われている(※イメージ)
スマホを子どもに賢く使ってもらうために、さまざまな取り組みが行われている(※イメージ)

 ITスキルは将来必須だ。だが、子どもにITツールを持たせるリスクもある。スマホを子どもに賢く使ってもらうために、さまざまな取り組みが行われている。

 元中学校教師で『スマホチルドレン対応マニュアル』などの著書もある竹内和雄・兵庫県立大学准教授によると、低学年の子どもにスマホを持たせている親の多くは、家に固定電話がないスマホオンリーの生活スタイル。だから子どもにも連絡用に、当たり前のようにスマホを与える。そして判断力に乏しい子どもに与えるリスクをほとんど意識していないという。

「でも、事態はもっと進んでますよ。今のお母さんたちは授乳しながら片手でLINEやゲームをし、子どもが言うことをきかなければ、鬼が出てきて脅してくれるアプリを起動させています。今度はその子たちが小学校に入ってくる。今後、スマホの所持率の増加と低年齢化は加速度的に進むでしょう」

 もはや、スマホを禁止して済む問題ではなくなってきているというのが竹内さんの見立てだ。リスクをいかに教え、いかに「賢く」使わせるかを現実的に考えるしかないという。

 小学生にどうリスク教育をするかで、先進的な取り組みを始めているのは神戸市。昨年から市内164の公立小で子どもたち自身にルールを考えさせるプログラムを実施している。まず初日に、大学生がスマホのリスクに関して、実際に起こった事件や、自らの失敗談を含めて話をする。実際にLINEを使ったこともない大人が話すよりも、年の近い大学生のお兄さん、お姉さんが実体験と実感を込めて話すほうが、ずっと子どもたちが真剣に耳を傾ける。

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