大学生たちの話を聞く限り、東京はクールジャパンのショーケース。だが、人々が暮らす都市としての東京は、そこにとどまっていていいのだろうか。

 ワークショップに参加した学生たちは、東京でのプログラムの後、岩手県遠野市で「民泊」を経験している。ホテルなどの施設ではなく民家に宿泊。人々と生活を共にする体験が好評で、過去のプログラム参加者が再び遠野を訪れる例もあるという。

 遠野の人たちが東京の人以上に英語が話せたとは思えない。外国人の学生たちを魅了したものは何だったのか。シンガポール国立大学から参加した男子学生(22)は、東京についてこう話した。

「人と人の温かさが感じられない。もう少し笑顔で温かく接することができたら、もっと住みやすい場所になるのでは」

AERA 2015年9月14日号より抜粋