ウィッグ、ネイル…がん患者「外見ケア」で職場復帰支援 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ウィッグ、ネイル…がん患者「外見ケア」で職場復帰支援

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患者に協力してもらい、抗がん剤による肌質の変化のデータを集める(ふだんは専用の測定室で行う)。日本医療研究開発機構の革新的がん医療実用化研究事業(委託費)を利用した研究だ。「解析して、より効果的な対策につなげるなど、多くの患者さんにフィードバックしたい」と語るセンター長の野澤桂子さん(写真中央)(撮影/今村拓馬)

患者に協力してもらい、抗がん剤による肌質の変化のデータを集める(ふだんは専用の測定室で行う)。日本医療研究開発機構の革新的がん医療実用化研究事業(委託費)を利用した研究だ。「解析して、より効果的な対策につなげるなど、多くの患者さんにフィードバックしたい」と語るセンター長の野澤桂子さん(写真中央)(撮影/今村拓馬)

 国立がん研究センター中央病院では、10年ほど前から臨床心理士の野澤さんが中心になって外見に悩む人をサポートする取り組みを続け、2013年4月にアピアランス支援センターを開設した。

 病院の1階ロビー横の一等地にある同センターを訪れた高田さんは、棚一面に並んださまざまなウィッグに圧倒された。野澤さんに勧められ、今まで経験したことのない髪色やヘアスタイルのウィッグをつけてみると、意外に似合っていることに気づき、気持ちが明るくなった。

「思い切ってショートカットのウィッグでイメチェンしてみようかな」と笑う高田さんに、野澤さんは、「いい機会だから、やってみて。使うと決めたウィッグに近い髪形にあらかじめ地毛を切っておくと戸惑わなくて済みますよ。薬が終わればまた生えてきますからね」 と背中を押した。

 外見の支援は、美容の一環として外見の変化を隠すことだけと考えられがちだ。しかし「患者と社会をつなぐことこそが目的」と、野澤さんは言う。

「無人島に一人でいれば、丸坊主だろうがひげを生やしっぱなしにしようが悩むことはありません。社会の中で生き、周囲の目があるから悩む。がんになっても患者さんが生活者であることは変わりませんからね。治療背景を含め、患者さんが社会の中で快適に過ごすにはどのような方法があるのか、という視点で支援することが大事です」

AERA 2015年9月7日号より抜粋


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