大手でもオワハラが横行(※イメージ)
大手でもオワハラが横行(※イメージ)

 2016年に卒業する学生の就職活動が、大きく後ろ倒しになったことはご承知の通りだ。経団連の「採用選考に関する指針」で、15年卒までは採用広報解禁が3年生の12月、採用選考開始は4年生の4月だったのが、16年卒からはそれぞれ、3年生の3月解禁、4年生の8月選考開始とされた。しかし、内定の解禁は例年と変わらず10月1日。8月1日に一から選考を始めていたら、10月1日に十分な学生の確保が難しいと判断した多くの企業が、水面下で早期に選考を開始していた。

 アエラが大学生インターンの協力を得て、52人の就活生に取材したところ、こうした実態を背景に生じた今年特有の現象が浮かび上がってきた。「オワハラ」の横行と「隠語」の駆使だ。

 例年は4月1日から大手、人気企業が採用活動を始め、それが一段落したところで中小企業が採用活動に動きだすのが一般的だった。しかし今年は、大手や人気企業の採用終了を待っていたら内定式に間に合わない。中小企業のほうが先に選考を始め、内定を出すという逆転現象が起きた。オワハラは「就活終われハラスメント」の略で、自社が内定を出した学生に、その後も他社を受けることをやめさせる行為のことだ。売り手市場もあいまって、大手でもオワハラが横行。引き抜き合戦はいまも続いている。

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