猛暑日に東京都内の横断歩道を歩く人たち。うだるような暑さの中での五輪は、選手にもボランティアにも観客にも過酷だ (c)朝日新聞社 @@写禁
猛暑日に東京都内の横断歩道を歩く人たち。うだるような暑さの中での五輪は、選手にもボランティアにも観客にも過酷だ (c)朝日新聞社 @@写禁

 猛暑日が続いた今年。誰もが5年後の東京五輪は大丈夫?と思った。だが、関係者らが7~8月の開催に執着するのには理由があった。

 東京は今年の夏、35度を超える「猛暑日」が8日続き、過去最長を記録した。5年後の2020年東京五輪の開会式は7月24日で、8月9日に幕を閉じる。まさに、今年のうだるような暑さの時期と重なる。

 6月の就任以来、新国立競技場の建て替えに忙殺されている遠藤利明五輪担当相だが、自然との闘いも覚悟する。大会組織委員会や環境省、国土交通省、東京都などによる熱中症対策の連絡会議が動き始めている。

 マラソンや競歩では、太陽の赤外線を反射させて路面の温度上昇を抑える特殊な舗装の導入が検討されている。「敵」は単純な暑さではなく、湿度だ。蒸し暑さに慣れていない国の選手には、相当こたえるだろう。

 1964年の東京五輪の開会式は、秋晴れの青空が広がる10月10日だった。実は、当時も7~8月開催が候補に挙がったが、暑さ、湿度、食中毒など衛生面の懸念から却下となった。

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