とはいえ、Tポイントにも弱点があった。「高齢者と地方」(Tポイント・ジャパン広報)だ。そこで目を付けたのが、図書館と地方スーパーだ。高齢者の利用が多い図書館の利用カードにTポイントを導入すれば、お年寄りの会員を獲得できる。神奈川県海老名市や宮城県多賀城市など5自治体に広がる予定だ。また地方では大型スーパーが少ないため、街のラーメン店やクリーニング店も含め、地域一番店との提携を加速させている。

 こうしたTポイントの拡大戦略を支えているのは、TSUTAYAだ。全国約1450店のうち、9割超はFC(フランチャイズチェーン)。店舗への投資が数億円規模と小さくないため、オーナーは地域の有力者が多い。自治体や地元経済界にも顔が利く「地場の名士」がTポイントの代理店を引き受け、声をかけていくので、攻め込むにも話が早い。

 そして今回のふるさとスマホ。CCCの傘下企業が扱う格安スマホの拡販の一環とも読めるが、Tポイントを高齢者に広める意味でも効果を発揮しそうだ。例えばスマホの通信料にポイントを付与するだけでなく、健康体の人限定とか、歩数計機能で計測した歩数分を追加する、などのサービスが検討されている。

 Tポイント・ジャパン副社長の北村和彦氏は言う。

病気予防になれば医療費は削減でき、国も自治体も喜ぶ。本人も健康になる。過疎化地域の交通機関や商店街との連携も考えていきたい」

AERA  2015年8月24日号より抜粋