「数ある中からこれを選ぶ意味がわからない。女性が魅力的に見えないよ」とバッサリ。でも、おしゃれに見えませんか?

「女性的にはセンスがいいのかもしれないが、俺的にはこれじゃない感が…」

 隣で話を聞いていた友人の大学院生(25)も同調する。

「彼女にははいてほしくない。せっかくの美脚が隠されては残念。アパレル業界に踊らされているだけだよ」

 既婚男性の意見はどうか。男性会社員(43)は言う。

「スカートかガウチョパンツかどちらかを選ぶとしたら、断然スカート」

 やはり、男ウケはよろしくないようだ。なぜ、男女の認識はこうもすれ違うのだろう。

「この議論は初めてのことじゃないと思いました」と話すのは、トランスジェンダーで、性社会・文化史研究者の三橋順子さん(明治大学非常勤講師)。かつてはやったレギンスやキュロットに対する男性の反応に通じるものがあるという。

 共通項は、男性の「裏切られ感」と「期待外れ感」で、「女性はスカートをはくものと男性は思っている。スカートと思わせておいてパンチラへの期待を封じられることへの怒りでは。オジサン的発想ですね」と分析する。そうした発想の根底には「女性は男性のために装っている」という男性側の意識があるという。

「男性の思い込み。女性のおしゃれは自己表現の側面もあり、男性の目を意識しているとは限りません」

AERA 2015年7月27日号より抜粋