食べることや料理することが好き。そんな思いを科学技術や理系スキルとコラボさせ、よりおいしく、より新しい味を探求する。そんなリケジョの活動を追った。
「科学する料理研究家」として、フリーランスで、執筆、テレビ・ラジオ・イベント出演、料理教室講師など幅広くこなすのは、「サリー」こと平松紘実(26)。
「甘みは体温に近い温度で最も強く感じられる」「電子レンジのマイクロ波は食品の表面から6~7センチの深さまで届く」…。平松の著書や講師を務める料理教室では、そんな科学の知識に基づいてよりおいしく仕上げる調理法を学べる。
「私が子どもの頃に科学の本を読んでワクワクした気持ちを多くの人に味わってほしい。それに、科学の知識や根本的な考え方は生活を送るうえで役立つことを知ってほしいんです」
以前は人に科学の話をしようとすると、「難しい」と抵抗感を示されたり、緊張されたりしたという。しかしあるとき、料理と結びつけて話せば、皆、興味を持って楽しそうに聞いてくれることに気づいた。
現在の働き方に至ったきっかけは、学生時代に始めた「ブログ」。「料理をする女の子はモテるかな」という思惑から料理を始め、当時のニックネームだった「サリー」をハンドルネームとして、ブログでレシピを発信。ページビュー数やコメント数が増えていくのが楽しくて工夫を重ねるうち、評判が高まった。