C Channel社長森川亮さん(48)もりかわ・あきら/日本テレビ、ソニーをへて韓国企業の日本法人ハンゲーム・ジャパン(現LINE)入社。社長時代にLINEのサービスを開始。今年3月、同社社長を退任。翌4月、C Channelを設立し社長に就任(撮影/写真部・東川哲也)
C Channel社長
森川亮
さん(48)
もりかわ・あきら/日本テレビ、ソニーをへて韓国企業の日本法人ハンゲーム・ジャパン(現LINE)入社。社長時代にLINEのサービスを開始。今年3月、同社社長を退任。翌4月、C Channelを設立し社長に就任(撮影/写真部・東川哲也)

 若い女性たちが、動画でファッションや流行スポット、美容情報までを紹介する動画ファッションマガジン「C CHANNEL」。なぜいま、このメディアなのか。AERA編集長の浜田敬子が、C CHANNELの社長である森川 亮(あきら)さん(48)を直撃した。

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――なぜ、若い女性向けのファッションメディアを?

森川:流行に敏感で、集まる傾向もある。新しいものを受け入れながら、人の集積で盛り上がりをつくりたかったことが一つ。もう一つは、世界に向けて日本発のメディアをやりたかった。今後、外資メディアが参入してくる。個人や企業が乗れる仕組みを作っておきたかった。

――選んだのは動画でした。

森川:ビデオジャーナリストって言葉があったけど、いまはスマートフォンでできる。自撮りも友だちが撮るのも簡単。編集もアプリでできるので彼女たち自身がやってる。撮影から編集まで1時間数百万円だったのが、100分の1のコストになった。こちらは素材を確認して、つないでアップするだけ。あとは「ファストフードのようなどこにでもある店は紹介しないで」「今週は原宿がテーマ」と言うくらいです。条件をつけすぎると、女の子たちに「やらされてる感」が出ちゃいますから。

――話題は食やメイク、ファッション。女性誌は戦々恐々なのでは。「タダ」ですから。

森川:ぼくらが他メディアのプラットフォームになれば、共存共栄できるんじゃないかと。eコマースとの連動も強化できるし、女性誌の編集者が自らコンテンツを投稿することもできます。

――キュレーションメディアには既存メディアがニュースを提供している。共存できますか。

森川:日本はネット広告の単価が極端に低い。クリック数、何に登録したか、どれくらい長く使い続けているか、そこまでオープンにしているのに結果として安くなってる。これは上げたい。あとはコスト。制作費の大半は人件費。下げるには、給料を下げるより、リリースまでを速くすればいい。意外とみんなゆっくりやってて、編集アプリを導入して速度を上げれば解決できるんじゃないかと。

AERA  2015年7月13日号より抜粋