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 働く女性の先進地、フランス。3人の子育てをしながら、思う存分キャリアを積む、なんてことも珍しくない。日本とは何が違うのか? 管理職として働く女性を訪ねた。

 サンジェルマン・デ・プレ通りの美しいオフィスで、ワンちゃんと迎えてくれたクリステル・ヴァタソ(43)。彼女はモデルエージェンシー「フォード・パリ」の総合ディレクターだ。
 
 23歳の時、ルーブル美術大学と並行しソルボンヌ大学に在学中、妊娠。子どもを養うため即座に職を見つける必要に迫られた。雑誌社での研修を経て、1995年から女性誌「フェミナ」のキャスティングを担当した。

 その後何度かの転職を経て、ファッション界で長く活躍してきた彼女のターニングポイントは14年の1月。「フォード」がパリ支部を立て直す戦略を進める際に、クリステルを総合ディレクターに任命したのだ。

「全てをリセットし、新しい事務所の地域の設定、不動産巡り、内装、社員の選択から80人を超えるモデルのスカウティング、総合ディレクション、コミュニケーション、今後の戦略を任されたのです」

 現在、20歳、17歳、11歳の3人の子どもを1人で養う。

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