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中国人「2億円分買いたい」古書も「爆買い」ターゲット?

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AERA#中国
神田神保町の古書店で、国際電話をかけて中国の知人の意見を聞く李勇さん。これほどの優良な古書を大量に抱える書店は中国にもそうそうないという/東京都千代田区(撮影/編集部・野嶋剛)

神田神保町の古書店で、国際電話をかけて中国の知人の意見を聞く李勇さん。これほどの優良な古書を大量に抱える書店は中国にもそうそうないという/東京都千代田区(撮影/編集部・野嶋剛)

 高く積まれた古書の山から一つひとつ手に取って確かめ、メモを取りながら、連れのスタッフと「この棚、全部買ったらいくらだろう」「こんなに貴重なものを並べていて、よく盗まれないな」などと話し込む。

 李さんは今回、日本進出に向けた視察で来日したが、自身が古書コレクターでもあり、仕事の合間を縫って書店を回っているところだった。

「日本には、中国にはない書物が残っていると聞いていましたが、これほどとは驚きです。今回は視察ですが、次は1千万人民元(約2億円)ほど予算をもって、まとめて買いに来たい」

 日本古書籍商協会の八木正自(まさじ)会長によれば、日本の中国語の古書の多くは、江戸時代に長崎経由で幕府が買い上げたり、個人が買ったりしたものだ。江戸時代には留学のために来日した中国人が、日本の中国古書の豊富さに驚いたこともあった。

「古書の買い手は、かつては大学や自治体の公共図書館でしたが、最近は予算が減らされ、国内需要はピーク時の10分の1以下です」(八木さん)

 日本が長年蓄積した「知識」が中国に買い戻されてしまう形だが、前出の山本さんは言う。

「先輩たちが一生懸命集めたものが出ていくのは、もったいないと思いますし、できれば国内にとどめておきたい。でも、定価で買ってくれるのは中国の方しかいないのが実情です」

AERA 2015年6月8日号より抜粋


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