ティー・ケー・ジー「変わり続ける定番」ル パティシエ タカギ 店舗統括部マネージャー 西園寺麻未(40)撮影/伊ケ崎忍
ティー・ケー・ジー
「変わり続ける定番」

ル パティシエ タカギ 店舗統括部
マネージャー 西園寺麻未(40)
撮影/伊ケ崎忍

 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はティー・ケー・ジーの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■ティー・ケー・ジー ル パティシエ タカギ 店舗統括部 マネージャー 西園寺麻未(40)

「キットカット」といえば、チョコレート菓子における永遠不朽の定番だろう。いまのシーズン、「きっと勝つと」と験を担いで食べる受験生も多いのではないか。そんな定番商品を極めた専門店がある。パティシエ高木康政が監修した「キットカット ショコラトリー」だ。昨年1月に開店した西武池袋本店をはじめ、東京、名古屋、京都の百貨店に4店舗を展開。西園寺麻未は、これらの店の立ち上げを手がけた。

「目指したのは、ふつうのお店ではないもの。カウンター奥に鮮やかな赤を使って、シャンデリアもキットカットの形状をモチーフにしています」

 昨年は延べ40万人が来店し、9億円を売り上げた。原材料にカカオ66%のビターチョコレートなどを使った看板商品「サブリム ビター」は、1本300円。ふつうのキットカットより割高だが、人気が高いので各店1日300本の限定販売だ。

 西園寺は、高木が経営する「ティー・ケー・ジー」に勤めて8年目。イベント運営会社で働いたのち、仕事で人の心を動かす醍醐味を求めて転職してきた。

 甘いものを見つめるときの人の表情は、特別な趣がある。それを見たくて、高木の店「ル パティシエ タカギ」で洋菓子を売ってもきた。いまは店舗づくりを任される一方、高木がいる厨房と、キットカットを製造するネスレ日本の間の調整役を担う。

 それにしても、だ。永遠の大定番が、なぜ新しいトライをしたのか。パティシエ高木とタッグを組んだネスレ日本キットカットマーケティング部の部長、槇亮次(写真中央)は、

「ひとつのブランドを多面的に見せる。その結果いかんで、より新しい価値を広げていくことができる」

 変わらないために、変わり続ける。そういうことなのだ。(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・岡本俊浩)

AERA 2015年2月16日号