官能小説家加藤文果さん最新刊は、人妻たちの恋愛模様を徹底的に取材した『妻たちが焦がれた欲情セックス』。Fumikaの名前でルポライターとしても活躍(撮影/羽根田真智)
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官能小説家
加藤文果
さん
最新刊は、人妻たちの恋愛模様を徹底的に取材した『妻たちが焦がれた欲情セックス』。Fumikaの名前でルポライターとしても活躍(撮影/羽根田真智)

 名刺交換や飲み会だけで終わらない、真の「人脈」をつくるにはどうすればいいのだろうか。官能小説家の加藤文果さんは、こんなことを心掛けていると言う。

 人脈づくりには、「焦らず急がず、タイミングを待つ」ことも重要だ。年間100人以上の女性にインタビューし、その恋愛や性体験の本音を引き出す加藤さんは言う。

「『こういう会があるのだけど、参加しない?』と誘われれば、内容に限らず、よほど外せない用件がない限り参加します。どういう出会いがあるかわかりませんから。最初の誘いを断れば、次は誘われません」

 たくさんの女性に会っても、取材につながらないことのほうが圧倒的に多い。それでも、「話すことそのものが楽しいから人と会います。仕事のためという気持ちはありません」 と加藤さん。

 いくらインタビューしたいと思っても、熱意だけではうまくいかない。たわいもない会話の中で、「夏に彼氏と旅行する」「不妊治療を始めようと思っている」など「今後」の話題が出てくれば、頭の隅に置いておき、その頃に「お元気ですか?」とメールする。

「私と話すことで、彼女たちにも得るものがないと。例えば、私がこれまでの取材で聞いた恋愛談。彼女たちの恋愛や性の悩みに近い話を私は提供できる。『私だけじゃない。そういうケースもあるんですね』と安心されます」

AERA  2015年6月1日号より抜粋