「学校はもちろん、部活も休まないという家庭のポリシーを子どもにしっかりと伝えたら、子どもも納得していました」

 情報サイト、オールアバウトで「旅育メソッド」を展開する旅行ジャーナリストの村田和子さんは、気兼ねなく家族旅行を楽しむために、学校での「旅行休暇」を提案する。

「週末は親が仕事という家庭も少なくありません。平日に学校を数日でも休めれば、家庭の事情に合わせ堂々と旅に出かけられるし、費用面の負担も下がる」

 ただ、平日休めば授業が遅れることは確か。教育現場では学業を優先すべきという意見もある。村田さんはこう話す。

「旅で未知の世界に触れ、感じ取る体験は、レジャーというより社会で求められる生きる力を学ぶ好機。机上では得られない、子どもの興味・関心が芽生えることも多い。旅行のレポートを学校へ提出するなど工夫することで、学力面でもプラスになる」

 教育関係者の男性(59)は「家族旅行は大切」と認めながらも、学校を休んでという考えは容認できないと話す。

「個々の事情で欠席できるという流れが学校に浸透すれば、学級がまとまらず教育に芯がなくなる。地味でも真面目な生活を肯定することが、子どもの教育にもいいと思います」

AERA 2015年5月4-11日合併号より抜粋