「東大卒」は取り扱い注意?
「東大卒」は取り扱い注意?

 東大卒の女性たちは、その「称号」が輝かしいだけに、子育てにおいても学歴を意識せざるを得ない。円滑な人間関係のために、あえてそれを隠そうとする人もいる。

 キャラ設定に神経を使う「ママ友関係」で、「東大卒」は「取り扱い注意」だ。

 小学3年と幼稚園年長の2人の子を持つ、専業主婦の東大卒ママ(34)=文学部卒=は2年前、地方から東京に引っ越してきた。

「ママ友界では立ち位置が大事。東大卒ということがバレないようにすごく神経を使いました」と当時を振り返る。ママ友デビューは最初が肝心。東大卒の情報が先行してしまうと、「近寄りにくい」「気難しそう」と敬遠されると思ったからだ。

 この女性は東大卒業後、公務員として働いていた時に、嫌な思い出がある。2浪して私立大に入ったという上司が「学歴コンプレックス」の持ち主で、なにかにつけパワハラを受けた。それが原因で離職。以来、「東大卒」は隠すべきものになった。

 ママ友付き合いでも、バレないかといつもビクビク。ちょっとした会話のはずみで漏れてしまった時には不安だったが、「もう人間関係ができていたので大丈夫でした。その代わり、広まるのは早かった」と苦笑する。5歳の息子が通う幼稚園はお受験型ではなく、ノンビリした園。ママたちもおおらかな人が多い。

「だから大丈夫だったのかもしれません。これがお受験が盛んな園だったら…」

AERA 2015年4月27日号より抜粋