同社によると、約2.25キロ以下の小型配達物が、全体の86%を占める。無人ヘリなら、人手や車両、配達網にたよらず、最寄りの倉庫から直接利用者の家まで、30分以内に届けることができるという。

 プライム・エアを紹介した同社の映像を見ると、社員が倉庫内で、注文があった小型の商品を黄色のケースに入れる。これを無人ヘリが上部からアームでつり上げ、上空を飛んで利用者宅に直行。玄関前の地面で、アームを開くとケースだけが残り、利用者がピックアップ。無人ヘリは、倉庫に戻る。

 無人ヘリでの配達は、注文から配達完了までの時間を大幅短縮し、サービス向上になる。人件費や燃料費、パッケージ費を削減し、輸送車から出る温暖化ガスも大幅に削減できる。

 まさに、物流システムにおける「革命」だ。しかし、障壁となっているのは、FAAの承認が遅いことだ。FAAは、これまで米航空大手ボーイングなどが作る商用機などの承認が遅いことも批判されていた。商用ドローンは、商用機以上に何の法整備もされていない。免許の仕組み、機体やルートにおける安全基準、衝突・墜落をどう防ぐかなど、規則策定に2年かかるとしている。

AERA  2015年4月13日号より抜粋