東京コミュニティスクール2004年開校。現在24人が在籍。・教室に仕切りはなく、学年を超えた活動も多い。1人の生徒に、なるべくさまざまなスタッフがかかわる(撮影/編集部・高橋有紀)
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東京コミュニティスクール
2004年開校。現在24人が在籍。・教室に仕切りはなく、学年を超えた活動も多い。1人の生徒に、なるべくさまざまなスタッフがかかわる(撮影/編集部・高橋有紀)

 学びの形が多様化し、新しいタイプの学校が増えている。新しい学びは、子どもたちに高度な企画・プレゼン能力をも養わせる。

 東京コミュニティスクール(東京・中野区)は、探究型のテーマ学習が特徴の学校だ。教科融合で、校外にも飛び出し、広くそして深く学ぶ。学校教育法に定められた小学校ではないため、地元の公立小学校に学籍を置いて定期的に状況報告し、卒業が認定される。留学経験があるなど日本の教育システムに疑問を持っている親が多いという。

 5年生の男の子が、模造紙に何か書き込んでいた。

「伝統文化を受け継ぐ若者がいない」「定年を過ぎてからの人生が長い」「完全管理社会で犯罪防止」「3.11後、信用を失った原子力発電」

“ロストエナジー”が題材の6週間のテーマ学習で、集大成ともいえるプレゼンを翌日に控えている。50年後の2065年、62歳になった自分の葛藤や社会を想像し、書き出したという。

 理事長の久保一之さんはこの学びを“リベラルアーツの小学校版”と表現する。卒業生の中には日本の中高に進んだあと米や豪の大学に進んだ人もいる。

AERA  2015年4月13日号より抜粋