■園を選べない現実 白ける説明会場(東京都武蔵野市・小売業(35)次女(14年1月生まれ))

 すでに認可に通っている兄弟姉妹がいれば加点があるので大丈夫だというのが昨年度までの常識でした。ところが選考基準が変更され、兄弟姉妹を同時に入園申請しなければ加点されないことになったのです。昨年10月の説明会では、突然の変更に動揺して泣き出す人もいました。「良い保育園の選び方」の説明もありましたが、「選べるものなら選びたいわよ」と会場は白けていました。

 パニックになっていた時、ママ友から「上の子の転園申請を出すしかないわよ」と教わりました。そうすれば同時申請として扱われるからです。長女(4)が通う認可には何の不満もないのに、次女(1)の第1希望の認定こども園にやむなく転園を申請しました。どこも定員いっぱいなので転園する確率は低いと踏んだうえでしたが、本当に転園することになったら、友達と離ればなれにさせられる長女に説明できる理由がない、と気が気ではありませんでした。

 結果、次女は第1希望で、長女の転園も避けられましたが、姉妹別園です。転園申請をしなかった人は下の子を認可に入れられなかったと聞き、手放しで喜べません。

AERA 2015年4月6日号より抜粋