豪華なショーの舞台裏は戦場。モデルが舞台に向かった後、誰もいなくなったメイクルームにたたずむふなっしー。3大コレクションのスケールは大きい(撮影/坂本真里)
豪華なショーの舞台裏は戦場。モデルが舞台に向かった後、誰もいなくなったメイクルームにたたずむふなっしー。3大コレクションのスケールは大きい(撮影/坂本真里)
ハンさんのプロの着付け(撮影/坂本真里)
ハンさんのプロの着付け(撮影/坂本真里)
AERA3月16日号はふなっしー特集だなっしー! 表紙じゃないけど、中面で待ってるなっしー※購入はこちら
AERA3月16日号はふなっしー特集だなっしー! 表紙じゃないけど、中面で待ってるなっしー
※購入はこちら

 華やかなショーのバックステージに、黄色い物体。小刻みに激しく動くその姿は、ふなっしー。ファッションショーに参加すべく、NYに乗り込んだ。

 2月19日午前8時、零下10度のニューヨーク・マンハッタン。雪がうっすらと積もった歩道に降り立ったのは、なんと、ふなっしー。

「気温マイナス10度と梨的に適温で過ごしやすいなっしー♪」

 さっそく約120万人のフォロワーにツイート。

 ふなっしーが参加するショーは、「TOKYORUNWAY meets NEW YORK」(東京ランウェイ実行委員会主催)。日本のガールズファッションイベントの先駆けとして13年間続いている異色イベントが初めて、ニューヨーク・コレクションに進出。バイヤーやジャーナリストに東京発の斬新なデザインを発信する。

 そのアンバサダーにふなっしーが就任。ブランド「HANAHN SOON」のデザイナー、ハン・アンスンさんがランウェイ衣装を特別にデザインしてくれた。ふなっしーは早速、針山を手首につけたハンさんの助けで「試着」。衣装は、欧州から輸入した高価な赤、青、黄のスパンコールで全身を覆うロングドレスだ。

「ふなっしーの普段とは違う、モードっぽさを出したかったので、黒のリボンをアクセントにしました」とハンさん。

 そしてリハーサルがスタート。ハンさんの勧めで、ふなっしーはモデルたちのトップを切ってランウェイに。「HAN AHNSOON」のブランド名が、真っ白な舞台の壁に映されると、ピアノが奏でるシャンソンのようなメロディーに合わせ、ふなっしーが、ひらひら、ぐるぐると回りながら、普段以上に軽やかにランウェイを跳びはねた。

 舞台裏に消えてから、再びちょこっと顔を出し、関係者の笑いをとるサービスも忘れず、ふなっしーの渾身の「挑戦」は終わった。舞台裏に戻ると、ハンさんの厳しくも温かいお達しが。

「バッドニュースだけど、やっぱり本番はダメ。その代わりみんなを応援してね」

 ランウェイ登場はリハーサルだけという知らせだ。

「ぎゃーーー、しょーがないから、飛び入りしてくるかなー」

 取材陣を突き飛ばしかねない勢いでバックステージに疾走。しかし、出番を待つ長身のモデルたちに囲まれて記念撮影するうちに「応援」にも力が入り、みんなを元気に送り出した。

AERA 2015年3月16日号より抜粋