※イメージ写真
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 新しい大学入試が本格導入されるのは、現在の小学校6年生が高校3年生になるとき。どう備えればいいのか。塾や予備校ではすでに対策が始まっている。

 バイリンガルの講師がジェスチャーを交えながら、英語で質問すると、あどけない笑顔の子どもたちが元気いっぱいに手を挙げる。小1から小3の8人の子どもたちの後ろには母親が座り、同じ教材を手にし、熱心にメモを取りながら授業を聞く。日本語一切なしの授業が1時間45分。その後15分間、母親たちは、家庭で復習してほしいことのアドバイスを受ける。

 これは、3年前に開講した早稲田アカデミーIBSの「英検準2級クラス」の授業の様子だ。小さな子どもたちが流暢な英語を話す様子に驚いた。

「ABCから始めても、2年以内にセンター試験レベルの英検2級に合格します。ただ、英検対策塾ではありません。今までの英語の学習は日英変換型で、たとえば『傘を差す』と言う時の『差す』を英語にしようと考える。正解は『open』。重視しているのは『英単語を英語で理解すること』『英語の本をたくさん読むこと』です」と主宰する松井義明さんが話す。お茶の水校の定員は150人だが、入塾の倍率は11倍。

 2級クラスに通う小3の水谷優来(ゆら)さんは将来の夢を語る。

「画像や絵を使った授業は楽しくてわかりやすいです。『ハリー・ポッター』を原書で読みたいという夢がもうすぐかないそう。将来は海外の大学に進学して宇宙飛行士になりたいです」

 従来型の英単語の丸暗記ではなく、英語で思考する力をつける教育はまさに、入試改革が目指す方向だ。英検やTOEFLなどの外部試験の活用が拡大しているので、小学生の時から英検を取得すると、直接的に大学入試に役立つこともある。

AERA  2015年3月16日号より抜粋