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日本女子フィギュアは「C」?「格下げ」の謎

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四大陸選手権女子金メダルの米ポリーナ・エドマンズ(中央)と宮原知子(左)の点差は、わずか2.43。金メダルは、手の届くところにあった。右は本郷理華(写真:gettyimages) 

四大陸選手権女子金メダルの米ポリーナ・エドマンズ(中央)と宮原知子(左)の点差は、わずか2.43。金メダルは、手の届くところにあった。右は本郷理華(写真:gettyimages) 

 五輪でのメダル獲得に向けた「ターゲット競技」の選定で、文科省は、女子フィギュアスケートを「A」から「C」に格下げした。いま、なぜ――。

 四大陸選手権は、世界のトップグループへの「登竜門」といわれる大会だ。今年は2月12~15日に韓国・ソウルで行われた。日本は女子で、宮原知子(さとこ)(16)が銀、本郷理華(18)が銅と二つのメダルを獲得。2018年平昌(ピョンチャン)五輪への期待が高まった。

 しかし、まさに大会期間中の2月13日、文部科学省が下したある「判断」に、フィギュア界が揺れた。五輪でのメダル獲得に向けた「マルチサポート事業」のターゲット競技で、女子フィギュアを最高のAランクから格下げしたのだ。

 羽生結弦(ゆづる)が現役を続行している男子は「金メダルを含む複数のメダル獲得が期待される」Aランクのままなのに、女子は「メダルの期待される」Bランクどころか、かろうじて「メダルの可能性がある」Cランク。浅田真央の休養が続くなか、“現役女子にはもう期待しない”とも取れる決定だった。

 マルチサポート事業は、トレーニングや栄養面、心理的・医学的ケアから情報戦略まであらゆる面で、選手に対する「専門的かつ高度な支援を戦略的・包括的に実施する事業」だ。しかし、Cランクの競技の場合、選手への個別支援はなし。五輪期間中に一部のサポートを受けられるのみになってしまう。

 フィギュア関係者が描く、平昌五輪での日本女子のメダルへの展望は、マルチサポート事業の選定を行ったスポーツ研究者らのそれに比べると明るい。

 現在の全日本女王・宮原は、四大陸でもショート首位、総合2位という堂々たる成績を残し、こう自信を見せる。

「完璧にやれば優勝できたと思うので悔しい。ジャンプの質は一年一年良くなってきている」

 銅メダルを獲得した本郷も、ジャンプ力に定評があるだけでなく、日本女子では珍しく長身で演技が映える。16歳の永井優香も、四大陸では出場選手中最年少で6位。

「ジャンプの種類はシニアの選手でもほぼ同じだった。質はもっと高めたい」と言ってのけ、伸びしろを感じさせた。実際、世界の女子のトップグループの武器は、永井も跳べる「3回転+3回転」の連続ジャンプ。3年後のメダルの可能性は誰にでもある。

 平昌五輪開催時には出場可能年齢に達している小中学生にも、きら星のごとく有望選手が控えていて、Aランクの男子と状況は何も変わらないのだ。

AERA 2015年3月2日号より抜粋


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