ガラス製の香水ビン型「パーソナル超音波加湿器Vidrio」シリーズ(イデアインターナショナル)、5000円+税。女性らしいデザインが大人気(撮影/写真部・堀内慶太郎)
ガラス製の香水ビン型「パーソナル超音波加湿器Vidrio」シリーズ(イデアインターナショナル)、5000円+税。女性らしいデザインが大人気(撮影/写真部・堀内慶太郎)
水を張ったグラスに挿して使うタイプ。「BIRD STICK」(イデアインターナショナル)、3500円+税(撮影/写真部・堀内慶太郎)
水を張ったグラスに挿して使うタイプ。「BIRD STICK」(イデアインターナショナル)、3500円+税(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 目はショボショボ、髪はパサパサ、不意打ちの静電気に悲鳴を上げる──。冬のオフィスでは日々美容に敏感な女性たちが「乾燥」との闘いを繰り広げている。そんな彼女たちの間で人気が高まっているのが、デスクにも置けるパーソナル加湿器だ。

「仕事場は砂漠か!ってくらい乾燥してますね(笑)。クリームを塗ったり、目薬を差したりするたびに仕事を中断するので能率も下がる気がします」

 そう話すのは、都内メーカーに勤める女性(30)。砂漠とは大げさな、と思ったあなた。気象庁の統計では、東京の昨年12月の平均湿度は55%、最小湿度は16%。砂漠地帯の平均湿度は20~25%と言われているので、実は砂漠より東京の方が乾燥している日もあるのが現実だ。

 一般的にオフィスの湿度は45~60%が理想とされているが、暖房しながらその状態に近づけるには、オフィス全体を加湿するある程度大掛かりなシステムを導入しなければならない。そのため、「今、私の周りだけ」を潤したい女性たちの緊急ニーズに応えた、手軽で可愛らしいパーソナル加湿器が続々と登場しているのだ。

 香水ビンや鳥の形をしたコンパクト加湿器を企画・販売するのは、デザイン雑貨などを扱うイデアインターナショナル。2年前にスティック型の加湿器を水を入れたグラスに挿して使う「パーソナル超音波加湿器 TULIP STICK」を販売し、人気に火がついた。

「持ち運べる加湿器がほしいという開発チームのアイデアが始まり。加湿器に欠かせないと思われていた水タンクを取ってしまう逆転の発想だったんです」(広報・武本麻梨絵さん)

 スティック型の加湿器は、オフィスで使いたいという女性を始め、出張が多くホテルの乾燥が気になる男性にも人気。デザイン性の高さから、女性へのプレゼントとして買い求める人も多いという。

AERA  2015年2月9日号より抜粋