体調不良などにより現在も療養中の雅子妃殿下が、少しずつ回復に向かって歩まれている。

 名古屋市で開催された「持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議」への雅子妃の出席は、出発の前々日に発表された。午前中の世界会議だけに参加される予定だったが、ご体調が良いことから、急遽、午後の視察も皇太子殿下に同行されたのだった。

「雅子妃は顔色が良く疲れた表情はお見せになりませんでした。持続可能な社会や将来の地球を考える子どもたちの取り組み方などに、熱心に耳を傾けられていたのが印象的でした」(主催者)

 雅子妃は誕生日の文書の中でも地方公務先で出会った人々との触れ合いについて、〈多くの方に温かく迎えて頂いたことも、私にとりまして大きな励みになりました〉と記されていた。

 こうした雅子妃の回復の兆候は、14年4月に学習院女子中等科生となった愛子さまの不規則登校が目立ってきた6月ごろには、想像できないものだった。

「学習院中等科は中学受験で難関を乗り越えて合格した外部生も入学してきます。愛子さまは皇族として、外部生に負けないよう勉学に取り組まなくてはならないというお気持ちが強くて、深夜までお勉強をされているようです。そのため朝が起きられないことがあるようなのです」(東宮関係者)

 雅子妃は愛子さまを度々起こされたというが、日が経つにつれて、自立を促すためにあえて口出しをされなくなったという。だが、母親としてこうした子どもの不規則な生活を心配し、悩まれたことだろう。皇太子殿下と雅子妃は試行錯誤しながら子育てされてきたのだった。

 愛子さまの「皇族としての勉学」への強いこだわりは、例えご両親であっても変えられないものだったそうだ。ある児童心理司はこう言う。

「こだわりというのは、思春期における夢でもあり成長でもあります。一時的なもので心配はありません。むしろ愛子さまは皇族としての意識が非常に高いためこだわられているのではないでしょうか。周囲はご成長をじっと見守るしかありません」

AERA 2014年12月29日―2015年1月5日合併号より抜粋