対談は、都内のホテルで午前8時半にスタート。6時間ほど前まで撮影えおしていたという福澤さん(右)が先に到着し、「ジムで走ってきた」という玉塚さんを出迎えた(撮影/写真部・植田真紗美)
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対談は、都内のホテルで午前8時半にスタート。6時間ほど前まで撮影えおしていたという福澤さん(右)が先に到着し、「ジムで走ってきた」という玉塚さんを出迎えた(撮影/写真部・植田真紗美)

 ローソンでマチカフェなどのヒットを飛ばす玉塚元一さん(52)と、TBSで「半沢直樹」を手がけ、現在は「流星ワゴン」を演出中の福澤克雄さん(50)。慶應大ラグビー部で先輩後輩だったふたりが、理想のリーダー像を語り合った。

* * *
――具体的に、どんな人物に「リーダー」の姿を見ているのか。

福澤:僕は、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手に注目しています。

玉塚:投げてよし、打ってよしだからすごいよね。

福澤:彼は、野球の常識を変えた。高校野球だと「エースで4番」は当たり前なのに、プロでは「ピッチャーは投げているだけでいい。打てなくていい」となっちゃう。おもしろくないですよ。大谷選手は周囲に「無理だ」と言われながらそれをやってのけた。大したもんだと思います。許した栗山英樹監督もすごいけど、大谷選手自身が試合をしてお客さんを喜ばせる「プロ野球の原点」を体現している。少年たちに夢を与えるリーダーですよ。

玉塚:従来とは違うことをやってのける度胸と存在感がある。その意味で、テニスの錦織圭選手も若きリーダーでしょう?技術だけではなく、世界で戦う強いメンタルを持っている。われわれのグループ会社にも、存在感のある若いリーダーがたくさんいますよ。例えばローソンファーム千葉社長の篠塚利彦くん。まだ30歳ですが、同年代の仲間と一緒に農業を変えていこうとしている。

福澤:みんな、陰で相当努力しているんでしょうね。

AERA  2014年12月29日―2015年1月5日合併号より抜粋