かつてお嫁さん候補といえば、尽くすタイプの控えめ女性。だが、ハイスペック男性たちの結婚観はいまや変わっている。あのジョージ・クルーニーを落とした美人弁護士のように、キャリア女性が人気なのだ。

 婚活市場でも、クルーニー婚のような「キャリア女性」が選ばれる傾向が増えている、と指摘するのは、自身が合コンに800回参加した経歴を生かし、婚活アナリスト、婚活塾講師として活動する松尾知枝さんだ。

「スペックの高い男性と結婚したいなら、花嫁修業や婚活パーティーより、キャリアアップの努力をしたほうが今は近道かもしれません」

 かつては合コンでも、「バリキャリ女性はごめんで、若くてミニスカートが似合うような、受付や派遣の女性がいい」という男性の声も多かったが、東日本大震災の後ぐらいから変わってきたという。

「先行きが不透明な時代、誰でもリストラにあう可能性がある。また上昇志向の強い男性は、日々成長したいと思っている。家で夫の帰りを待つだけの女性ではもの足りないようです」

 松尾さんによると、そもそもキャリア志向の男女の結婚生活は多忙ですれ違いがちで、「成功しにくい」モデルだった。仕事のできる女性は自分で何でもでき、女性らしさをアピールしたり、男性に甘えたりするのが苦手という傾向も強かった。

「最近はキャリア志向と専業主婦志向の両方のよさを兼ね備えたハイブリッド型女性も増えています」(松尾さん)

 松尾さんはこうアドバイスする。

「男性は女性に比べて、所有欲や独占欲が強かったり、繊細でプライドが高いところがあったりするのかもしれません。社会で強さを求められるキャリア女性が、家に帰ったらコスプレ感覚で、男性に頼ったり、ときに甘えたりできれば、クルーニー婚がもっと増えるかもしれませんね」

AERA  2014年12月8日号より抜粋