イケメン有名人の結婚相手として報じられる「一般女性」。実際に芸能人らとの飲み会に呼ばれたという女性に話を聞いたところ、彼女たちは読者モデルなどを経験した、可愛くスタイルが良く、女子力の高い存在だということがわかってきた。

 非の打ちどころのない彼女界のトップ。つまり「彼女」のプロなのである。エッセイストの能町みね子さんが命名した。プロなのだがプロっぽさがないのも特徴。曰く、「インターネットで検索してもブログとかが出てこない人」「元モデルでも一般人感が出ている人」。

 でも、女子力はマックスだ。芸能人とプロ彼女らとの飲み会をセッティングした経験がある、元女性誌編集者は言う。

「確かに、彼女たちのハンティング能力は高いです。お酒は飲みません。隣に座り、気配りもアピールもその人にだけ。大好き光線をそれとなく送りますから、男性は悪い気はしませんよね」

 一方で、大手芸能プロダクションで芸能人のマネジメントに15年以上関わってきた柳心月さんは、本物の「プロ彼女」の正体をこう説明する。

「芸能人が結婚相手に選ぶ一般人って、生粋のお嬢様が多いんですよ」

 恵まれた環境で成功体験を積み重ねて育ち、ひねくれた心がない。際立った美人ではないが、身ぎれいで、表情や物腰に育ちのよさが滲み出る。自宅近くの表参道や原宿を母親と歩いていてスカウトされ、軽い気持ちで芸能界入りする。だけど、ガッツがないし、自己顕示欲もないので、すぐに「一般人」に戻る。

「はっきり言って、芸能人には致命的に向いていない人種です」(柳さん)

 そういう人たちが、著名人のお見合い候補ナンバー1。容姿端麗でお金持ち、料理上手で、夫に献身的に尽くす。そうした母を見てきたので苦にならない。最強の「プロ彼女」は、生まれながらにして素養を持っているのだという。

 著名人と結婚する「一般女性」を、本当に「一般の女性」と思ってはいけないのだ。

AERA 2014年12月8日号より抜粋