複数の宿に予約を入れた人が、宿を絞り、予備を手放すなどの動きが出るのだという。

 ホテルの場合も、3~4日前のサイトチェックがお勧めだ。1年のほとんどをホテル泊で過ごすホテル評論家の瀧澤信秋さんは、こうアドバイスする。

「当日の午後にも空きが出ることがあります」

 OTAでの探し方にはコツもあるという。

「繁忙期は有名サイトよりマイナーサイトが有利です。有名サイトは閲覧者が多いので競争率が高く、手持ちの枠がすぐ埋まってしまう。マイナーサイトは競争率が低い。私は『ベストリザーブ』というサイトをよくチェックしています」

 行き当たりばったりの旅と割り切るなら、グリーが運営する当日予約限定・スマホ向けサイト「Tonight」が便利だ。

 ズバリ、年末年始で狙い目の日はいつなのだろう。前出の井門さんに聞いてみると、こんな答えが返ってきた。

「年が明けてからの旅館は、年末に比べて格段に予約が取りやすい。料理もお正月料理ですし、予算が許すならぜひ体験してみてください」

 オススメは、首都圏近郊であれば北関東の温泉地。優秀な宿も多く、気になる価格も土曜日の1月3日を過ぎれば、急激に下がるそうだ。この傾向はホテルも同じで、

「宿泊ピークは2日まで。価格は3日からガクンと下がります」(瀧澤さん)

 オススメは、シェラトン都ホテル東京やホテル椿山荘東京など。都心にいながらリゾート感を味わえるという。

年末年始旅行の攻略ポイント
■航空券
→大みそかや元日もお得な航空券がある
 ANAの年末年始スペシャル「旅割」、JALの「スーパー先得」などがここ数年、約半年前から販売されている。片道チケットだが、マイレージ会員であれば、一般発売前に予約できる

→繁忙期は株主優待枠も選択肢に
 時期によっては、株主優待券を金券ショップで購入し、株主優待枠を使うほうが早期割引券よりリーズナブルなケースも

■新幹線
→「ぷらっとこだま」を使う
 JR東海ツアーズが販売している自由参加型ツアー。年末年始でも東京―名古屋間が片道9300円、東京―新大阪間が1万1800円。グリーン車へのグレードアップも各区間1千~1500円ほどで可能。12月5日現在、元日のグリーン車はある程度空きがある模様

→会員限定の格安こだまグリーン車
「エクスプレス予約」「プラスEX」会員向けの、「こだま☆楽旅IC早特」は、こだまグリーン車が東京―名古屋間で8900円、東京―新大阪間で9500円。乗車3日前まで発売、設定は2015年3月31日まで

■宿泊施設
→2~3週前と3~4日前に空室をチェック
 満席の場合も、旅行会社や予約客のキャンセルのため、空席が出やすい時期がある。2~3週間前と3~4日前に、公式サイトやOTAなどで空室を確認しよう

→年末よりは年明けが狙い目
 宿泊施設の年末年始の宿泊ピークは大みそかから元日にかけて。ピークを避けた年明けの方が、予約は取りやすい

→価格重視なら1月3日以降
 年末年始の繁忙期料金だった宿泊施設も、ホテルなら3日以降、旅館なら4日以降に急激に下がる傾向にある

※掲載情報は12月5日時点のものです。予約を確約するものではありません

AERA 2014年12月15日号より