12月20日公開のディズニー映画最新作「ベイマックス」は、東京とサンフランシスコを融合した架空の都市「サンフランソウキョウ」が舞台。電線のある街並みや日本語の看板、鳥居や鉄道など、あらゆるところに「日本」が登場している。

 原作はマーベルコミック。プロデューサーのロイ・コンリ氏は言う。

「そのまま映画化するのではなく、ディズニーアニメーションの世界の中で再構築したいと考えました。原作は日本のポップカルチャーに対するラブレター。私たちはそれをキープしたかったし、さらに拡大して環太平洋地域に向けたラブレターにしたんです」

 何より重要だったのは、リアルな街をつくることだった。本作を企画したドン・ホール、クリス・ウィリアムズ両監督ほかスタッフは、日本に2回、サンフランシスコに4回のリサーチ旅行を敢行。建築から街並み、自動販売機、ファッションまで、あらゆるものを研究したという。

 製作中は、「これは日本じゃない!」と違和感を覚えたら、すぐに伝えるチェック態勢を敷いていたという。なぜそこまで?

「私たちのスタジオには、日本のアニメやポップカルチャーに対する愛が強いメンバーが多い。私たちがつくる作品は日本と繋がっているんだという意識があると思うんです」(コンリ氏)

AERA 2014年12月1日号より抜粋