日本サッカー「崖から落ちていいと聞こえる」と辛口記者 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本サッカー「崖から落ちていいと聞こえる」と辛口記者

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 アギーレの指揮のもと動き出したサッカー日本代表。そこにブラジルW杯での教訓は生きているのだろうか。サッカー記者3人からは厳しい指摘も。

* * *
杉山茂樹さん(スポーツライター):欧州では「代表監督の戦術は、クラブ監督の借り物」という言葉をよく聞く。日本の場合、“弱者”の立場から、世界の勢力図を塗り替えようとしている。そうするとやはり、何か特別な戦術がほしいわけ。

北條聡さん(元週刊サッカーマガジン編集長):その通りで、アギーレのような人を呼んじゃうと、世界を驚かすようなサッカーは難しい。ブラジルW杯でチリは、いいサッカーをしたと思う。監督のサンパオリはアルゼンチン人だけど、チリの国内リーグのクラブを率いて優勝させた実績がある。だから、代表監督になって、ちょっと変わったサッカーができる。日本もやろうと思ったら、Jリーグで面白いサッカーをやってる監督に任せる形にしないと無理だと思うんですよ。

潮智史さん(朝日新聞編集委員):アギーレは失敗だと。

北條:いやいや、それは…。他国と同じことをしていても勝てないだろ、というとき、違うサッカーをすることが必要だとなれば、アギーレでは厳しいですよねと。ザックはオーソドックスなサッカーをして惨敗したんだと思う。イタリアのウディネーゼでやったサッカーを日本代表でみせたら、ちょっとはアバンギャルドなサッカーになったでしょうね。ところが、日本選手に合わせてしまった。

杉山:そもそも4年間の丸投げはダメ。世界から公募で監督を募集すればいいんですよ。最終選考は生放送してね。

潮:今は一人の監督を見つけるのに苦労している。

杉山:協会には“外務省”がない。アギーレだって原博実専務理事の個人的なツテなんですね。ともかく、4年任せでは、世界の一流監督は引き受けられない。4年も日本で過ごすと、忘れられた存在になる。そういう意味では、アギーレは相当な覚悟で引き受けたと思うが、同じ監督に4年預けるという発想が、世界の情勢に合ってない。

潮:協会は、長く見てもらって、いろんなものを授けてもらい、きっちりとチームをつくってもらおうという考え方です。

杉山:協会の幹部は、ザックの攻撃サッカーの方向性は間違っていないというんだけど、本当?攻撃サッカーというのは効率的サッカー。守備的サッカーが廃れたのは非効率だから。で、日本も、ということだけど、見た目だけ。肝のところができていない。

北條:なぜ、これが日本のサッカーだって、決めつけるのか分からない。結果も出ていないのにね。そういうのって成功してからでしょ。

潮:時間をかけて収斂していくのが自然だよね。

北條:そう。ブラジルW杯で選手が「日本らしいサッカー」とか言ってたけど、それは自分がやりたいサッカーでしょ。それが勝てるサッカーかどうかは別問題。

潮:「今回の代表はぶれなかった」とも言われます。

北條:ぶれなければいいんですか。決められた方向に進んで、その先が崖だったときに落ちるんですか?落ちないように戦術を変えて何が悪いの?ブラジルと対戦するとき、「俺たちのサッカー」をやったらどうなるか分からない?って。やる前からどうなるか分からんか!

潮:それでも僕たちの追求したサッカーって言うかもよ。

北條:そうなると、崖から落ちてもいいと聞こえるわけです。

AERA  2014年11月24日号より抜粋


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