「若年層の妊娠といえば、出会い系サイトだとか非行に走った少女だけだろうと大人は想像するようだが、実は違う。そういう子も一部にいるが、彼女たちはまだ安心できる。友達や親にSOSを出して連れてきてもらえるが、逆にごく普通の家庭、親もきちんとした職業で、これまで何事もなくすくすくと育ってきた子ほど自分で抱え込む。ひとりで病院に行くこともできずに悩んでいるうち、もう産むしかないとなる」

 どんな家庭にも起こりうるという点で、河野さんも福谷さんも意見が一致する。特に、小学生は妊娠しているとは誰も思わないため発見が遅れる。河野さんのクリニックを受診したとき、先述の小学生は2人ともすでに臨月だった。

AERA  2014年11月10日号より抜粋