「これまでの保活は通用するのか」。AERAワーキングマザー1000人委員会が開いたワークショップの参加者からは困惑する声も(撮影/家老芳美、協力/品川プリンスホテル Nタワービジネスラウンジ)
「これまでの保活は通用するのか」。AERAワーキングマザー1000人委員会が開いたワークショップの参加者からは困惑する声も(撮影/家老芳美、協力/品川プリンスホテル Nタワービジネスラウンジ)

 2015年から新保育制度が導入される。制度が変われば、保育園に入りやすくなる。親たちはそう期待した。しかし、これまでのノウハウが使えないことで、新たな心配と混乱を生み出している。

 保活激戦区として知られる江東区豊洲に住む育休中の女性(29)は、長女(11カ月)の預け先を求めて出産直後から情報を広く集めていた。いくつか施設を見学して興味をもったのは、幼稚園と保育園が連携している「こども園」。教育的な面を重視し、残業にも対応してもらえる。第1候補に決めた。

「お受験のような面接があるそうで、親もちゃんとスーツを着て臨まなければいけない。プレッシャーだけど頑張れば入れるわけで、努力の余地がある。夫と心づもりをしていました」

 ところが、夏の申し込み説明会で「新制度の下に移行するかもしれない」と聞かされた。そうなると区が窓口になり、認可と同様、「保育の必要性」の指数によって振り分けられてしまう。すでに認可保育所には年度途中の入園を申請しているが、ことごとくはねのけられ、厳しさを痛感していた。

「がっかり。一から保活のやり直しです」

 保活に直面する親たちを動揺させているのが、これまで通用していた「保活の裏ワザ」が使えなくなる可能性があることだ。

「認可外の加点がなくなるかもしれないなんて初めて聞いた」

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