「ちゃお」の付録に掲載された「男子タイプ別モテ作戦」と、同誌人気連載『12歳。』などのコミック。性描写はキスシーンまでがギリらしい(撮影/写真部・堀内慶太郎)
「ちゃお」の付録に掲載された「男子タイプ別モテ作戦」と、同誌人気連載『12歳。』などのコミック。性描写はキスシーンまでがギリらしい(撮影/写真部・堀内慶太郎)

 恋愛の低年齢化が進み、今や小学生でも彼氏・彼女持ちは珍しくない。背景にあるのは、純粋な恋愛への興味だけではないようだ。

 ベネッセが2012年に行った調査によると、わが子に「男女交際の経験がある」と答えた保護者は小学5年生が5%で、30人クラスなら1~2人。6年生は13.7%とアップするがクラスに4人程度だ。恋愛について親に話すかとの質問には小学6年生は「あまり話そうとしない」と「ほとんど話そうとしない」を足すと64%。かなり秘密主義だが、単に興味がない子も含まれるかもしれない。

「クラスに4人程度」の結果を「平均的な姿だと感じる」と話すのは、少女漫画雑誌人気ナンバーワンの「ちゃお」(小学館)副編集長の本間千恵さん。「りぼん」などを抑え発行部数50万部を誇る同誌は、2月号の付録「スウィートガーリー手帳2014」に「男子モテのススメ」を特集し、話題になった。

 冒頭から「そのまんまの自分でモテたいなんて甘い!」とごもっともなフレーズが並ぶ。具体的な男子攻略法を示した「男子タイプ別モテ作戦」では、「委員長タイプはおバカなフリで勉強を教われ」といった大人顔負けの恋愛指南もある。

「アンケートで友達との話題の1位が恋バナだったこともあり企画した。『彼氏います』というお便りも来るが、家でゲームをするのがデートで、アポ取りは母親とほほえましいもの」(本間さん)

 とはいえ、親からすれば、ほほえましいでは済まされないこともある。

 首都圏在住で40代の女性会社員は夏休み、子どもだけで東京ディズニーリゾートに行くと言い張る小6の娘とケンカになった。親がついていくと言ったら3組でデートするからNGだという。強引に断らせ、近くのプールだけOKにした。

「旗振り役の女子は、自分が好きな男の子と出かけたいから他の子たちを誘うみたい。そういう子のお母さんは共働きで家にいないとか、専業主婦でもあまり学校に顔を見せない人が多い気がする」

 臨床心理士でスクールカウンセラーなどを30年以上務めてきた福谷徹さんによると、異性に興味をもつ動機が今の子と親世代の子ども時代では異なるそうだ。

「昔の子は、成長の証しである興味や背伸びからだが、今の子は寂しさを補塡する傾向がある」

AERA  2014年11月10日号より抜粋