女性の社会進出が増えるにつれて、議論になることが多いのが家事・子育てについて。女性の社会進出が増えているというのなら、その両輪となるべき「男性の家庭進出」はどうなのか。

 今回の調査で、「夫は積極的に家事・育児をしているか」と聞いたところ、「している」「どちらかといえばしている」と回答したワーママは7割以上だった。これほどまでにイクメンが増えたのか、と期待したが、自由回答欄を見ると、どうも違う。

「夫は協力的だが、深夜勤務など仕事環境が許さず、実際の時間は少ない」(33歳・時短勤務正社員/子ども5歳)

「夫のほうが仕事量(残業)が多いので、家事育児に限定的になるのは仕方ない」(40
代・フルタイム正社員/12歳、10歳、8歳)

 夫は平日はほぼ「戦力外」なのだ。多くの夫は自分の仕事の一部を犠牲にしてまで子育てを担うつもりがない。それを証明するように、「子どもが病気のときは誰が対応するか」の質問には、「夫」はわずか1.9%で、ワーママ自身が対応するという回答が約7割を占めた。

しかしなかには、夫との「闘い」の末、対等に家事・育児を分担するようになったワーママもいる。

 2歳の子を育てながら、残業ありのフルタイムで働く女性(27)は、育休からの復帰直前、夫からこう言われた。

「保育園の送り迎えも、病気の時の対応も、母親の仕事でしょ」

 双方の両親とも持病があり、サポートを頼めない。夫と協力していくしかないのに、と怒りがわいた。

 女性は「なぜ私だけの仕事なのか」と説明を求め、その考えがいかにおかしいか、話し合ったが、夫は納得がいかない様子だった。そこで、「金だけ持って帰ってくる男はいらない」と言い放ち、家事を放棄した。

 1カ月が過ぎたころ、しびれを切らした夫が頭を下げてきた。もう一度話し合い、収入を完全に折半する代わりに、家事・育児も完全に折半。子どもの病気のときも、夫と交互に対応するようになったという。

AERA  2014年10月6日号より抜粋