ビッグデータのはっきりした定義はないが、大量、多様で、迅速に蓄積・処理されるものとされる(撮影/写真部・東川哲也)
ビッグデータのはっきりした定義はないが、大量、多様で、迅速に蓄積・処理されるものとされる(撮影/写真部・東川哲也)

 社員の健康管理のために、努力する企業が増えている。中には簡単なゲームで社員のダイエットを成功に導いた例もある。

 飲み会の後はシメのラーメン。さらに帰宅後、寝る前のお茶漬け。アイスクリームも大好き。運動はゼロ。こんな生活を続けていたら、67キロの体重がいつの間にか95キロになっていた。警備業界大手「綜合警備保障」に勤める男性Aさん(47)は、減量しようと決意。食事は少なめ、野菜を多くとるようにして、ラーメンは我慢。空腹を感じたら水を飲む。帰宅するときは、たとえ雨でも30分以上歩く。すぐに体重は減り始め、減るとうれしくなってがんばった。4カ月で25キロの減量に成功した。

 Aさんのダイエットのきっかけは、2008年に会社の健康保険組合が始めた「ハッスル☆減量ゲーム」。社員の特定健康診査(特定健診、いわゆるメタボ健診)のデータを分析したところ、「メタボ」と判定された人の割合が全国平均より多かったことから始められた。

 このプログラムを作成したヘルスケア企業「インサイツ」の石川陽介社長は言う。

「参加者は週に1回体重を測って携帯やパソコンから報告するだけ。減量できる人は言われなくてもできる。できない人が問題なので、ハードルはできるだけ低くしました」

 報告すればポイントがたまり、ポイントに応じた商品を獲得できる。これまで参加者の7割が減量に成功した。Aさんも毎日、体重計に乗り、週に1回、報告した。最近、再び体重が増えてきたので、再開する予定という。

AERA 2014年9月29日号より抜粋